2015/06/16 (Tue) スーパー歌舞伎Ⅱ「空ヲ刻ム者-若き仏師の物語-」

【新橋演舞場】




【CAST】(15.MAR.2014 夜の部)

十和 … 市川 猿之助
長邦 … 市川 門之助
双葉 … 市川 笑 也
菖蒲 … 市川 笑三郎
興隆 … 市川 寿 猿
喜市 … 市川 弘太郎
時子 … 市川 春 猿
吾平 … 市川 猿 弥
九龍 … 市川 右 近
   
伊吹 … 福士 誠治
鳴子 … 浅野 和之
一馬 … 佐々木 蔵之介


四代目市川猿之助(かつての亀さん)によるスーパー歌舞伎セカンド。
キャストには歌舞伎界以外からも役者を迎え、彼らも含めた口上から始まったスーパー歌舞伎!

前日にほぼオールしてしまい、睡眠不足で臨んだのが悔やまれますが、なんと豪華なキャストに演出でしょ。

猿之助さんに請われて出演した蔵之介さん、浅野さんに福士くん……外連味溢れる歌舞伎の中にあっても薄まらない味の濃さとろり。

現代劇の俳優さんたちが口上する時のお客さんも優しかった(笑)
現代劇って、歌舞伎ほどは役者としての自分を押し出さないものなので、ご贔屓連が劇中に堂々と声援を発して良い、役者ありきの歌舞伎において、特に蔵之介さんなんて少し可愛いくらいに緊張した素振りが見えちゃったりして。
歌舞伎と現代劇では、明らかに声の張り方が異なるので、口上なんて特に緊張するだろうなぁ。

スーパー歌舞伎のスーパー歌舞伎たる定義はそこまでハッキリしておらず、むしろ歌舞伎の型が伝統芸能として確立しているからこそできる型破り=「伝統と現代の融合」だなぁと改めて思う。

そもそもが型破りな現代劇の第一人者である蔵之介さんの振る舞いが、まんま現代劇的な浮わつきを感じさせる一方で、まだ若い福士くんは歌舞伎の型に抵抗なくしっくり馴染んでいたり、逆に現代劇の型を極めきったであろう浅野さんは、歌舞伎の型にも動じず自らを貫いていたり。

現代劇俳優たちの、歌舞伎の型に対するそれぞれの反応と対応を見せるためのこの配役だとしたら、猿之助さんの思慮が深すぎます。

あと、普通に現代劇俳優は、歌舞伎するには顔が小さすぎるんだなぁと思った(笑)

「空ヲ刻ム者」のタイトルを体現するかのようなクライマックスシーンが見もの!
仏像を彫るには心が現れる→心が空であれば、木っ端が飛び散るのみ……舞台上の木箱を開けた瞬間、客席に吹雪く木っ端が、今でも映像として目に焼き付いています。

まさかのミュージカル「ロード・オブ・ザ・リング」で同じ舞台演出を経験していなければ、もっと感動しただろうなぁ(笑)

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2010/01/03 (Sun) NINAGAWA十二夜 【STAGE】 17.JUN.2009 MAT

EW-AG591_ninaga_G_20090326.jpg

2009年(もう去年や~)の春にはロンドン、バービカン劇場で公演された作品。
蜷川さんが歌舞伎版として演出した「十二夜」は、シェイクスピアの本場ではどのように評価されたのでしょう。
賛否あったみたいですが、“欧米人の考えうる斬新な演出”を超えた斬新さを持っていたのは間違いないと思う。
文化と時の壁を越えてるものね!

歌舞伎特有の古典幕が流れた瞬間、舞台一面に張られた鏡が観客席を映し出し、幕開けから蜷川さんらしい驚きと美しさが観客を迎え入れてくれます。
さらに鏡の向こうが明るくなると観客の姿は消え、満開の桜がいっぱいに美しく照らし出され、2度に渡りどよめく客席。
「あぁ(やっぱり)蜷川さんだわ~」という声も…。
幕が開いた途端はっとさせる効果って、その後の2時間にとって、とても重要だと思う。

歌舞伎役者さんの芝居を見るのはまだこれが3度目ですが、いつも思うのが、現代劇の役者さんに比べてやはり隙がない。
長年の訓練のおかげなんでしょうね。
動きも芝居も間がたっぷりあるから、細に腐心していないと、逆に観客を引き付けておくのは大変なはず…。

歌舞伎は早着替えで同じ人物が2役も3役も演じているのも見せ場の1つ。
ただし化粧が濃いので、ただ漫然と見ているだけでは(そして役者の個人的なファンでなければ)なかなか気が付きません。
菊之助さんがセバスチャンまで演じていたのは気付かなかったし、菊五郎さんは未だ不思議な2役。
道化役の捨助(フェステ)が、坊太夫(マルヴォーリオ)を目の前で馬鹿にしている場面があったような気がするんだけどなぁ…。器用だなぁ。

一方で、確かに隙はないんですが予定調和以上のものも生まれにくい。
まぁ“お約束”に拍手を送る文化だから、それを言っちゃおしまいよ~って話ですが(笑)
というのも、初演時には割とどの瞬間も楽しかった本作、2回目には冗長さを感じてしまった…。
1回目は1階2ブロック目の最前真ん中、去年は桟敷席っていうせいもあるのかも。迫力が天地の差。

やっぱり古典劇のセリフ運びは、そこに真に目を見張る美しさがある場合を除き難しいものがあります。
ストーリーのためのセリフであるうちは、先を急いてしまう自分がいる。ムダに行き急ぐ現代っ子。

逆にこれが歌舞伎のために書かれたお話なら、その冗長さも様式美を守るための一旦として見られたと思うの。
でもシェイクスピアやねん。英語で聞くと大抵、ただでさえセリフが多いねん。
だから説明的なセリフが若干つらい。

あとは菊之助さんの踊りを見せるための作品という向きもあるので、すごく悪い例で言えば、「ZORRO」がWEに上がってくる前の、アダム・クーパーによる2幕初めのバレエと同じ唐突さ(笑)
「十二夜」の方が世界観は統一されていますが、あくまで悪い例で言うならね(笑)

そんな中でもシェイクスピアと歌舞伎のマリアージュに花を添えていたのが、アドリブ感たっぷりコミカルに麻阿を演じた亀治郎さん。
坊太夫に偽の手紙を送って悪戯を仕掛ける場面なんて、初演時以来、もう1度見るのを楽しみにしていたくらい傑作のほふく前進(笑)
ロンドン版の辛口批評でも、亀治郎さんだけは褒められたりしていました。
ぶっちゃけちゃうと、現代劇の笑いの取り方なんですけれど。

そんなこんなありつつも、個人的には原作よりも生身の人間が演じる歌舞伎の方が面白かったので、「十二夜」ぐれーとぶりてんの人が真っ当に作るとどういう舞台になるのか、そこにも興味が津々です。
もしくはバービカン版「ハムレット」みたいに、演出は蜷川さんで俳優は英国人とか。
今回の歌舞伎並みのおちゃらけになるのか、それとも原作寄り&BBCテイストでハードにキメちゃうのかしら。


そうそう、安藤英竹翫雀さんもファンキーでした!←もはや歌舞伎の感想に使う言葉じゃない気がする…。

Shochiku-Grand-Kabuki-01.jpg

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2010/01/02 (Sat) NINAGAWA十二夜 【Intro.】 17.JUN.2009 MAT

【新橋演舞場】

そう、2009年はここで見たんです。写真撮る気も起こらないような普通のビルで…。
ですがこの演目は再演でして、初演が2007年だったかな?あやふや。
実は初演時にも見ていまして、その時の会場は貫禄のこちら↓でした。

【歌舞伎座】

この姿も見納めですね。海外劇場に負けないくらい貫禄があるのは、ここぐらいのもの?

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【CAST】(17.JUN.2009 MAT)

カッコ内のひらがなが役名の読み、カタカナが原作におけるキャラクター名です。
上手く日本名にもじったなぁ~。
そして菊之助さん、1人3役……。なにげに菊五郎さんもすごい。
キャラクターの濃い目立つ2役ですが、正直見てる最中は同じ人が演じているなんて気付きませんでした!

尾上菊之助
獅子丸(ししまる=シザーリオ)&琵琶姫(びわひめ=ヴァイオラ)&斯波主膳之助(しばしゅぜんのすけ=セバスチャン)

中村時蔵 … 織笛姫(おりぶえひめ=オリヴィア)

中村錦之助 … 大篠左大臣(おおしのさだいじん=オーシーノ)

尾上菊五郎 … 丸尾坊太夫(まるおぼうだゆう=マルヴォーリオ)&捨助(すてすけ=フェステ)

市川左團次 … 洞院鐘道(とういんかねみち=サー・トービー・ベルチ)

市川亀治郎 … 麻阿(まあ=マライア)

中村翫雀 … 安藤英竹(あんどうえいちく=サー・アンドルー・エイギュチーク)

市川團蔵 … 比叡庵五郎(ひえいあんごろう=フェービアン)

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2006/11/18 (Sat) PARCO歌舞伎 決闘!高田馬場 ~2~

基本的なことですが、さすが伝統芸能出身の方々だけあってセリフも聞き取りやすく、皆さん芸達者!
オカマ、女形、老人、何でも来い!さらに1人最低3役は演じていて、早替えにも驚嘆。
演技と早替えの上手さから、まったく場面としての違和感が無いのも素晴らしい!
年配の俳優さんでこの技量なら納得ですが、まだ皆さん若いのでスゴイですよね。鍛えられてる感じ。

かなり完成度が高く、それでいてたまにわざと覗かせるが面白い(「3役もやらされてイッパイイッパイなんだよっ」とは劇中人形劇(←これも面白い)での亀治郎さんの捨てゼリフ・笑)、お腹いっぱいの舞台でした。

それにこの面子、よくよく考えてみると超豪華
だって、将来の松本幸四郎、市川猿之助、中村勘三郎に当たる人々が共演してるわけです。
今この3人のオジサマが共演するなんて考えられないから、かなり貴重なのでは?

そんな彼らが、「こんなの歌舞伎じゃないって言われても、僕らの中では歌舞伎。若い世代が考える新しい歌舞伎の形を提示していきたい」という熱~い気持ちの下、舞台に立っていたのですね~。
あのエネルギーで毎公演やってたかと思うと、頭が下がります。

もうひとつ、歌舞伎といえば長唄
今回は舞台上方に位置していて、「たぁ~かぁ~だぁ~のばぁ~ばぁ~、ばば!ばば!ばば!(リフレイン・笑)」と歌っていました。
よく歌詞聴いてると、三谷作詞なんで面白い。
サントラCDでは主演3人+三谷幸喜が歌っているメインテーマも入っていて、歌の途中に思わず噴出しちゃってる声も入ってたりしてホントに楽しいー♪
カーテン・コールでは、長唄席にひそかに三谷さんが混じってモジモジしてました(笑)

あぁもう何だか、記すべきことが多すぎて、書ききれない自分がもどかしい!
ネットでちょっと検索したら、楽しい感想が他にたくさんあると思うので、ぜひご参照のほど。
そして再演の際には、機会があればぜひ観に行かれることをオススメします。

余談ですが、席を取って頂いた方に「屋号を叫んだら染五郎さんが後で千円くれるって」と聞いていたものの、チキンな私は叫べませんでした…orz

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2006/11/17 (Fri) PARCO歌舞伎 決闘!高田馬場 ~1~

『真夜中の弥次さん喜多さん』で、七之助さん勘三郎さんが出てきているので、この親子の残るあと1人、中村勘太郎さんが出演していた「PARCO歌舞伎 決闘!高田馬場」の舞台感想を、良い機会なので書いて見ようと思います。何事もタイミングということで(笑)

これからも映画レビューに絡めて書けそうな舞台があれば「実はこんなのも見てました~」って感じで書ければと思います(吹っ切れたことだし)。
国内で見た舞台は、ついつい(または事情があって)感想書かないで通り過ぎちゃうことが多いので。


作・演出=三谷幸喜

出演(2006年3月26日 夜の部)=

市川染五郎、市川亀治郎、中村勘太郎

市川高麗蔵、澤村宗之助、松本錦吾、市村萬次郎


takadanobaba.jpg

実は鑑賞日は千秋楽
ただでさえチケットの取りにくい演目なのに、楽日を抑えてくれた某氏に感謝。

毎日満員御礼だったそうで(狭い劇場でやっているのがもったいない!)、最終日のカーテン・コールでは、「(同時期に上演していた)コクーン歌舞伎に勝ちました!」という染五郎さんの第一声に場内爆笑。
当時同じ渋谷のコクーン歌舞伎「東海道四谷怪談」に出演してたのは、勘太郎さんのお父さんであるところの勘三郎(元・勘九郎)さんなわけで…(笑)

劇中もこんな感じで、内輪ウケ的なネタが多かったのがこの演目の特徴。
例えば勘太郎さんが劇中、「父親とは子供に構うものなんじゃ。……ホントうるせぇんだアイツっ…」とセリフのあとにボソッとつぶやいたりして。もちろん“アイツ”で指してるのは勘三郎さんなワケで、これにも場内爆笑!
「家族で有名」なのが伝統芸能一家の常ですが、それを上手く利用したセリフですよね。

語調からも分かるように、「歌舞伎」と銘打っていますが、内実は「歌舞伎の衣装で演じる現代コメディ」?まぁ三谷幸喜だし(笑)

主題こそ中山安兵衛(後の堀部安兵衛)が叔父の決闘に助太刀した「高田馬場の決闘(元禄7年)」ですが、あら筋のみという感じで、細かいところは三谷幸喜の笑いそのものでした。
むしろ、役者さんたちもかなりノリノリで、アドリブもどんどん効かせていったそうなので、三谷のみの笑いより数倍楽しかったかも?!
時期が時期だけに、イナバウアーカーリングとか出てきたり、時事ネタギャグ多し。
一緒に行った友人は2度目の鑑賞だったのですが、千秋楽が一番はっちゃけてて面白かった!と。

これを鑑賞した時って、就活真っ只中で荒んでいた時期だったので(笑)、あんなに笑わせてもらって有難いなと当時も今も思います。

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    http://www.bbc.com/news/entertainment-arts-35321410


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