出演:ジョージ・クルーニー、ヴェラ・ファーミガ、アナ・ケンドリック、ジェイスン・ベイトマン、ダニー・マクブライド、メラニー・リンスキー、エイミー・モートン、サム・エリオット
監督:ジェイソン・ライトマン
製作年:2009
製作国:アメリカ
『JUNO/ジュノ』、『サンキュー・スモーキング』のジェイソン・ライトマン監督。
この監督はとにかく切り込み方が上手い。
中絶問題、喫煙問題、そして現代人の孤独を捕らえた本作と、題材選びはもちろんのこと、描き方の感覚もとっても現代的。
今回“現代人の孤独”を描く切り口に選ばれたのは、解雇通達人という仕事もさることながら、“1000万マイル貯める”という夢もアップデートなビジネスマン。
1年通してほぼ毎日出張、身軽なマイレージ・フリークを演じるのはジョージ・クルーニー。
空港でセキュリティを通る時の列の見極め方や荷物のミニマムさは、徹底的すぎて滑稽なほど。
超スマートに決めているが、いざ本気で恋しちゃうと応えてもらえない、むしろ都合よく使われていたことに絶望……スーツという名の鎧を着た現代人を体現するのにハマリ役でした。
この映画がラブコメでなくヒューマンドラマの体を保っているのは、せっかく感情に目覚めたのに相手が応えてくれないという現実を突きつけているからと言っても過言ではないでしょう。
解雇通達の電子化を持ち込み、クルーニーの職を脅かす新入社員を演じるのはアナ・ケンドリック。
本作でアカデミー賞助演女優賞にもノミネートされていましたが、見た目が学生みたい。
年齢はそこそこ行っているのですが、先日観た『トワイライト』で演じていた高校生役にも違和感がなく、外国人でここまで幼いのは珍しい。子役から活躍していた人みたいですね。
彼女の演じるビジネス・ウーマンは、持ち込んだ企画はスマートな割りに飛行機の乗り方に関してはアマチュアだったり、彼氏に振られて人前で泣いちゃったりと、まだ「社会人」という生き物になっていない。
そんな幼い人間らしさにうんざり&戸惑うジョジクルという構図がまた面白い。
本作のもうひとつの見所、アメリカン航空のマイレージ・プログラムも興味深かったです。
本当に航行中にグレート・キャプテンがコックピットから出てきて挨拶をしてくれるのだろうか。
その場合、安全性は…?(笑)
まぁ夢はあるよね。1000万マイル貯めるくらいなら飛行機も好きだろうし、軍隊上がりが多いアメリカのパイロットは、ハドソン川の一件でも分かるように日本よりも尊敬を集める職業なのかもしれない。
でも1000万マイル貯めているのが、あの広いアメリカでも10人に満たないというのはちょっと意外。もっといてもおかしくないような…。
そして久々に上手い邦題です。
マイレージの“マイ”は「my」じゃないのに、上手く掛けました。
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