fc2ブログ
2011/10/18 (Tue) 【MONDOVINO】(モンドヴィーノ)

監督:ジョナサン・ノシター
製作年:2004
製作国:フランス、アメリカ

MONDOVINO.jpg

見る前はワイン畑オーナーの頑固なオヤジを追ったドキュメンタリーかと思っていましたが、ふたを開けてみれば、タイトル通り“ワイン産業界の今”(2004年製作ですが)を追ったドキュメンタリーでした。
これだけ世界中で市場を広げている業界ですから、ビジネスライクなシーンや、仕掛け人がいないわけはありません。
頑固なオヤジも出てきますが、そんな職人の対極とも言える、“ビジネスマン”としてワイン界に関わる面々も出てきます。
ソムリエの資格も持つジョナサン・ノシターが監督しているせいか、どちらに加担するわけでもなく、現状を淡々と伝えてくれます。

製作にアメリカが関わっているのも興味深い。
ワインにおいては、フランスとアメリカは因縁ありますからね~。
詳しくは映画『ボトル・ショック』(アラン・リックマン主演!)をご覧あれ。(って私もまだ見てないけど)
ワイン大国のフランスが、ワインの“味”においてアメリカに惨敗するという(ワイン的)歴史的事件を描いています。

ただし、フランス対アメリカという単純構造の作品ではないので悪しからず。
ワインが純粋に好きなフランス人だって、儲けるためには近道もしたくなるもんです。
文化のグローバリゼーションにおいて散々同じような論争がありましたが、現代の大多数の人が美味しいと思う最小公倍数の味を作り、ワイン業界を活性化させることを、“民主化”と呼ぶか“没個性”と呼ぶかの戦いは、ワイン界でも起こっています。
人間が関わる以上、何でも政治になってしまうのは避けようがないのかも。

この人の隣に1時間いたらドッと疲れそう!と思わせる強烈キャラクターのワインコンサルタント、ミシェル・ロランは味のセンスがあり、ワイン評論家のロバート・パーカーはワインの味を整理するのに長けていて、それぞれ業界の功労者。
しかし2人が結託して、“今売れる味”ばかりを作り出したら?
20年後に楽しめるワインが必要とされなくなってしまったら?
グローバリゼーションの全てを否定するつもりはありませんが、ロマンを奪われてしまっては、世界もワインも味気ないものになってしまうよね。
って、珍しく上手くまとまっちゃったね(笑)


モンドヴィーノ [DVD]モンドヴィーノ [DVD]
(2006/04/21)
ドキュメンタリー映画、エマニュエル・ジロー 他

商品詳細を見る

スポンサーサイト



Cinema 2011 | trackback(0) | comment(0) |


| TOP |

プロフィール

nana

  • Author:nana
  • Would be always grateful that we somehow existed at the same time in a world's long history.
    My life has so much expanded after knowing you.
    Good bye, for a while and see you sometime.

    http://www.bbc.com/news/entertainment-arts-35321410


    現在の閲覧者数:


    当ブログ内の写真・文章の無断転載を禁じます。

最近の記事

最近のコメント

フリーエリア

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カレンダー

09 | 2011/10 | 11
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する