2013/05/26 (Sun) 【GAMBIT】(モネゲーム)

出演:コリン・ファース、キャメロン・ディアス、アラン・リックマン、トム・コートネイ、スタンリー・トゥッチ、伊川東吾
監督:マイケル・ホフマン
製作年:2012
製作国:アメリカ

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アランのニュースを積極的に追っかけなくなって久しいですが、たまぁ~の劇場公開作品を、他の映画の予告編で普通に発見するのもまたオツですな。

しかも共演がコリンとキャメロンで、コメディというところが嬉しいねぇ!2人とも好き!
コーエン兄弟の脚本は、イギリス人が演じるとブラック加減が上手くハマります。
実はコーエン兄弟のコメディをアメリカ人が演じている作品、『ディボース・ショウ』『バーン・アフター・リーディング』が苦手でした。
あっ!どっちにもジョージ・クルーニーが出ているっ(汗)

だってアメリカ人(っていうか主にジョジクル)は、コーエン兄弟のコメディを高尚に捉えすぎて、ブラックにシュールに演じようっていう“いきり”が先立つから、結果面白くないんだよね。
スタンリー・トゥッチなんかはもう天性のコメディアンだから、卒なくサラっとこなしていたけれど。
この安定感は素晴らしい。

『バーン・アフター~』のブラピや本作のキャメロンは、アホな“Theアメリカ人”に徹することに賢さを見出して上手くコメディ出来てるんだけど、ジョジクルは“賢い立場から演じてる”感が、ちょっとね。
アホになりきれていないというか。
そしてその性分をさらけ出してしまうコーエン兄弟、ある意味恐ろし。

その点イギリス人は、同じく賢い立場から演じているものの、ブラック&シュールは朝飯前なうえに自虐せずにいられない質なので、自然体で、当たり前のように全裸になるんですよね。
もうアランの全裸が、「この人ただ脱ぎたいだけなんじゃないか?」と思えるくらい、無駄に露出していたよ。
周りはいいって言ったのに「芸術とは脂肪だ!」とか言って無理やり脱いだんじゃないかとすら。
全裸になるシーンがあるのに、そのために鍛えた形跡が皆無なところも、また気持ち良いですね。
色んなところがタプタプしていたわ。
とか言いつつ、実はちょっと意識して鍛えた結果があれだったらどうしようと、今一瞬不安に……。

アランおじいちゃんになったな~、あれ?歯並びまた悪くなっちゃった?と色々思うところはありましたが、これってもはや、久しぶりに田舎に帰った孫の気分なのでは……?(笑)

コリンは窮地に追い込まれる役が似合いすぎだし、半裸で真面目な顔してサヴォイ・ホテルをうろうろする1人コメディが面白すぎる。
金持ちマダムの部屋でのシットコムは、本当に良く出来ていました。
声を出して笑っているお客さんも多かったです。

アランの全裸とコリンの半裸を内包する時点で名作よね~。DVD買おうっと。

ただ、ケン・ワタナベ以降、少し盛り返したかに見えた映画の中の日本人像、見事に崩壊してます!
あの描き方はさすがにわざとだと思うし、ラストのどんでん返しで盛り返したけど(かと言って、あの描き方が良い印象なわけでもないのだが)、名物アランの“うんざり”の対象が日本人となると、ちょっと悲しいね~。役なんだけどね、役なんだけど、けど……ね~。

筋書きやどんでん返しもそれなりに面白いですが、それをかき消すくらいに濃い各キャラクターのとんがりっぷりや、俳優たちの極上のシットコムのおかげで、途中経過にも見応えがあります。

そのうえ俳優陣も好きとなれば、すでにもう1回観ること決定です!

しかしアランが演じるシャバンダーってすごい名前だな。
キャメロンが演じるプズナウスキといい、名前もわざとぶっ飛ばしたのかしら。

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日本版ポスターに非常な良心を感じる。アラン人気を分かってらっしゃる。
フランス版ポスターは、コリンとキャメロンの2人しか写ってないという配慮のなさ(アランファンに対して)だったので、今回の掲載は却下しました(笑)

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2013/05/25 (Sat) 【LINCOLN】(リンカーン)

出演:ダニエル・デイ=ルイス、サリー・フィールド、デヴィッド・ストラザーン、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、ジェームズ・スペイダー、ハル・ホルブルック、トミー・リー・ジョーンズ、ジョン・ホークス
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作年:2012
製作国:アメリカ

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『リンカーン/秘密の書』と混同してしまっていた作品。
秘密の書もつまらなくはなかったですが、本当に見たかったのは、歴史に忠実なこちら。

何もかもTheスピルバーグ!な作品でした。
尺が長い、恐らく必要以上に長い、だけどクライマックスの演出は上手い、泣かせようとする(そして悔しいけど泣く)、そしておせっかい。

映画が始まる前に、スピちゃん自ら時代背景を語る映像が入ったのには驚きました。
そしてちょっとショック。日本人はそんなにも無知だと思われているのかしら。
作り手としての思いがあふれるのは良いのだけど、いつも言葉で説明しすぎるきらいがあって、あなたの表現方法は映像ではないのか?と問い質したい(苦笑)

呑んだ後に観ちゃったので、会話ばかりで構成されるシーンが続く初盤の数十分はかなり眠かったですが、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットが出てきた辺りから、カッコよくて目が覚めた。
この作品の彼は、何だかえらいカッコ良かった。
リンカーン夫妻の葛藤を描くキーパーソンではあるものの、役としては思ったより小さかったけれど。

リンカーンの話し方まで忠実に真似たというダニエル・デイ・ルイス
とはいえ、リンカーンの声にそこまで馴染があるわけではないので、意外と弱々しくて芯のない声だったんだなという印象でしたが、風貌は確かにそっくりでした。
有名な「人民」の3段活用スピーチは、本人の口からではなく、冒頭のシーンで印象的に使われておりました。

ただオスカーはトミー・リー・ジョーンズにもあげておくれ!と心底思った。
ノミネートだけじゃ足りない。
この人は名優だったって思い出したよ、極東のユルいコーヒーCMで宇宙人やってる場合じゃないよ!

そもそもウィットに富んだセリフを、これまた絶妙な言い回しで繰り出すものだから、出演シーンのすべてに目が釘付け。
彼の演じる急進派のスティーヴンスが、奴隷制の“完全”廃止を唱える所以が最後の最後に明らかになるのですが、この理由もまた心ニクい。

スティーヴンスは実際にもこんな人柄だったのでしょうか?
だとすれば、歴史上の存在感はもっと大きくても良いはず。
きっとトミー・リー・ジョーンズの味付けによって、ここまで魅力的な人物に仕上がったのでしょうね。
いや~今さらながら本当に良い俳優さんだわ。
日本で宇宙人とかやらされちゃって、ホントごめん。

事前の選挙工作は同じことの繰り返しなので、ちょっと冗長にも思えましたが、いざ議会での投票シーンは緊張感があり、それぞれの事情がうかがえる「YES」「NO」の言いぶりにもまたドラマがありました。
侃々諤々の議会でしたが、大統領はその場におらず、官邸で静かに息子と結果を待っていたのですね。

今年初めてワシントンに行き、国会議事堂、リンカーン像、ホワイトハウス、フォード劇場などを見てきたので、まさに歴史が起こった場所としてそれらのモニュメントが出てくることが感慨深かったです。

そしてそれぞれの距離感を知っているからこそ、議会とホワイトハウスを全力疾走して行き来する伝達係の苦労が手に取るように分かりました。
だって議会とホワイトハウス、渋谷と原宿くらいあるでしょ。
途中で息が上がってコケるのも納得です(笑)

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2013/05/22 (Wed) 【聖☆おにいさん】

声の出演:森山未來、星野源、鈴木れい子、立木文彦、くまいともこ、永澤菜教
監督:高雄統子
製作年:2013
製作国:日本

Saint Young Men

東京は立川で有給消化中のブッダイエスを主人公に、彼らの下界ライフを宗教知識&日常感たっぷりに描いた中村光のギャグ漫画の映画化(アニメ)。

原作漫画、好きなんですよ。全巻読んじゃってるもんね。

宗教ネタと日常ネタのマリアージュに笑いながらも、なにげに勉強になるところが良い。
正直DVDでも良いかと思っていたのですが、趣味の合う友人とレディースデイに1000円で観ちゃうのがちょうどよい映画でした。

結果、劇場で観てよかったかも~!
いや、元々漫画も面白いのですけどね、映画版でも声出して笑えちゃったことに癒された。
劇場内でも、結構笑いの声上がってましたね~。

声優陣の力の抜け感も絶妙に作品と絡み合って、いい塩梅なのさ。
映画版オリジナルのストーリー展開もあり、原作のエピソードが上手く活かされていたし。

何だろう、水曜日に仲良しとご飯食べて、映画館でブッダとイエスに癒されながら笑いながら、DELIで買ったチーズをつまむっていう、この日常の幸せ。

東京の最先端である六本木にいながらにして、めっちゃほのぼの立川気分に浸りましたわ~。

鑑賞時にもらったエピソード・ゼロの小冊子も意外と凝っていたよ。

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2013/05/21 (Tue) Roméo et Juliette 【STAGE】(2012フランス招聘版)

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ステファヌさんが日本女子にキャーキャー言われて、こんなにも近づきがたい人になっていることに驚愕!
(終演後のロビーサービスにて。ツルっとあんなに遠くに……)

来日中に2回みて、一回目は初日、2回目は終盤近くでした。
初日と2回目は、特にカーテン・コールとロビーサービスの旺盛さに目を見張る違いが。
初日のカテコはそう考えるとさらっとしておった。
ダンス・オブ・バンパイアと一緒で、キャストの工夫でカテコを充実させて、どんどんファンが付いて行ってる感じ。

各人の歌の完成度は初日の方が高かったのですが(2回目は声が本調子でないキャストも)、全体を俯瞰して、曲や演出の面白さをより味わえたのは2回目でした。
それはきっと、このキャスト、この会場、この観客での“間”が徐々に出来上がってきたからかもしれないなぁと。

初日はジョン・エイゼンのマイクトラブルがあり、歌の途中で音声が完全に途切れ、数十秒エアーで歌ったのちにスタッフの持ってきたマイクに切り替えていました。
生声は全く客席に届かないにも関わらず力の限り歌っていたジョン「届けたい!」という気持ちが強く伝わってくるパフォーマンス。
でも客席はシビアな反応だったところに、まだ観客との距離が縮まっていない印象を受けたものです。
距離が縮まっていれば、逆境の中で必死に歌っていた彼に歓声のひとつでも上がりそうなものなので。

1階センター前方ブロックの良席だったので、目の前で繰り出される筋肉隆々のアクロバットが迫力満点でした。
最近、シルク・ド・ソレイユ「Michael Jackson the Immortal」を見に行ったのですが、サーカス団であるシルクよりも、ダンスセンス&アクロバット技術を兼ね備えたロミジュリのダンサーのレベルの高さを感じました。
まぁ同じフランス語圏なので、もしかしたらどっちにも出演しているような人はいるかもしれませんが。

ステファヌ(メトロ)さん以外はみな歌を聴くのも初めてですが、やっぱり外国人の喉って素晴らしい!
特にロンドンやニューヨークと違って、必ずしも綺麗な声ばかりをそろえていないところが良い。
モンタギュー夫人のブリジットや、神父役のフレデリックの、ハスキーだけどボリュームがあり、感情表現も損なわれていない声色がすてき!
ハスキーボイスはそれだけで表情が豊かだよねぇ。

あとティボルトの歌が、暑苦しくなくて良かったです(笑)
トムさんみたいに緩急つけて歌ってもらった方が、歌の意味が伝わりやすい。
上原さん、好きなんだけどね(苦笑)

ビジュアル的には、ジュリエットのジョイ・エステール(姓名ともにとても洗剤の名前っぽいけれどもLION提供だからいいのか←)が可愛すぎて(歌も安定!)、ステファヌ(ネヴィル!)が日本人好みの優しいカッコよさ&背の高さでツボでした。
ステファヌ氏、胸毛が惜しい!(個人的に)

日本版とキャストの性別やキャラクターが一番違ったのは“死”の役でしょうか。
日本版の男性ダンサーはヌルっとした蛇のような気持ち悪さがありましたが、仏版は女性のモダンダンスで、パウダーを使った演出が幻想的。
「苦悩と、その解放への導きの人」という位置づけに感じられました。
日本の男性版は“死を渇望している死”でしたが、女性版は「あなたも死んでしまえば良いのに、そうすれば楽になるのに」と、無理からなく死へと誘い込むような妖艶さが。

2回目に遠目から観たおかげで、曲の意味や構成がしみ込んできて、フランスミュージカルらしい独創性の中で、良く出来た作品だなと思いました。
曲もヒットチャートに乗っただけあって、それぞれ個性的。
もちろんブロードウェイやロンドン的な作り上げ方とは根本から違うから好みはあると思うけど、コレオでアート性を維持しているところがフランスらしい。

そして何よりやっぱり「世界の王」がフランス語で聴けたのが嬉しい。
サントラ販売がなかったのが悔やまれますね~。
去年の秋にSt.LazareのFnacでも探したけど、DVDしかなかった。
来日キャストでなくても良いので、日本限定で再販すればよいのに!(売れそう!)

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2013/05/20 (Mon) Roméo et Juliette 【Intro】(2012フランス招聘版)

【東急シアターオーブ】

こんな写真ですみません(笑)
でもサイン&メッセージ入りよv

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【CAST】(06&20.Oct.2012 Soiree)

ロメオ … シリル・ニコライ

ジュリエット … ジョイ・エステール

ベンヴォ―リオ … ステファヌ・ネヴィル

マーキューシオ … ジョン・エイゼン

ティボルト … トム・ロス

乳母 … グラディス・フライオリ

キャピュレット卿 … セバスティエン・エル・シャト

モンタギュー夫人 … ブリジット・ヴェンディッテ

大公 … ステファヌ・メトロ

ロレンス神父 … フレデリック・シャルテール

死 … オレリー・バドル



うわぁ~なんか、“ステファヌ・メトロ”の名をこの並びで書くことに感慨を覚える…(笑)
ボスだったのに、しかもセカンド(いや、サードか。フランクさんがいたね)だったのに、ジェロームさんより前にこんな大きな公演で来日しちゃって、ステファヌさんたら。

「CHANCE!」では前へ!前へ!なローランの後ろでマイペースにボスやってたのに、来日公演ではあんなに大きな会場で、先頭に立って異国の観客を煽っていました@カーテン・コール。
作曲をした「Le Chemin」が普通に良い曲で、しかもあれだけの仏ミューStarsを仕切った実績が示すように、才能の人だったんだねぇ。

「CHANCE!」の来日計画、どうなったんだろ。(ここにきて、ふと)

フランスのミュージカルって良く考えたら、エルヴェ監督のしか生で見たことなかったもので、ましてやスペクタクル・ミュージカルは来日公演の今回がお初だった。
ある意味、「CHANCE!」とか(幻の)「BABEL」を見ていて、ロミジュリや太陽王を未見って珍しくないですか?そうでもないですか。
オペラ座の怪人つながりで、エルヴェの世界(どんな世界?)の人々の方がツボってたんだよね、フランスでスターな人々よりも。

でも以前に日本公演の感想で書いた通り、さすがに毎日フランスのラジオを聞いていたら、ロミジュリの曲は耳馴染みがあって、今回フランス語で日本で聴けたことが非常~~~に感慨深いです。
もう、何においても「感慨深い」がキーワードだわ、この公演(笑)

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2013/05/19 (Sun) デュエット (29.SEP.2012 Matinee)

【シアタークリエ】

Theyare Playing Our Song


【キャスト】(29.SEP.2012 Matinee)

ヴァーノン・ガーシュ … 内 博貴

ソニア・ウォルスク … 和音 美桜

演出:錦織一清

脚本:ニール・サイモン


+++

ニール・サイモンの演劇、さすがに観てるっしょ!と思いきや、初見でした。
名前はよく聞くから、さすがに映画くらいは……と思いきや、こちらもすべて未見。
一体なぜこんなにこの名前に親しみがあるのか、もはや謎である。

内が演じる人気作曲家と和音が演じる天真爛漫な作詞家のソニアが組んで曲を作ることになり、徐々に良い雰囲気に。
ただソニアと同棲中の恋人レオン(どうやらかなりのダメ男)のSOS電話に2人でいる時間を邪魔され続け、ソニアも彼との関係を断ち切れず、モヤモヤとした関係に陥るヴァーノンとソフィア。

作品にもキャストにも馴染みはないです。自腹で観に行く食指をそそられる要素は一切ありません。
というわけで、ご招待いただきました。

だからか何でか、意外と飽きずに見られました。
ソニアがその日の気分で古着の舞台衣装を着まわす奇想天外キャラなのですが、舞台衣装が普段着ってなんかツボ。
モノによってはイケそうだし、知っているミュージカルの衣装だったりもして、えっそれ着ちゃうの?!みたいな。

内くんは、ジャニーズの子なのね。
堂々と歌っていてイケメン作曲家の面は天然で表現できていたものの、コメディアンとしては不足気味。
演出を担当している錦織一清さん本人でも、この役は良かったかも。

一方、和音さんの芸達者ぶりには感心。
こんなに綺麗で実績を積んでいて同い年だって……芝居の落ち着きや上手さから30代半ばくらいに思っていたのに……(脱力)
内くんを見事にサポートしている演技でした。
台詞の言い方ひとつで、声を出して笑えるくらいのシーンに仕上げていたし、何より歌が安定していました。
元宝塚の娘役で普通に歌える人、初めて観たかもっていう(苦笑)

結果的に耳残りしている曲は一曲もなく、ストーリーも最終的にはただのラブに終わり、ミュージカルとしてどうなの?というのはありますが、ソニアの出演シーンは場面やセリフとして面白く笑えて、フォンティーヌ役では伝わらない和音さんの芸達者ぶりを発見できたのが大きな収穫でした。

海外で良キャストで上演されることがあったら、観てみたいなと思います。

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2013/05/18 (Sat) CHIAGO【COMPANY】2012BW来日公演

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そんな米倉さんが120%の力を出し切って、少なくとも作品として成立する演技を見せているのに対し、ヴェルマを演じたアムラは70%くらいの力で同じことを成し遂げていました(笑)

力の出し切り方の差は不思議と歴然と分かるものですが、出している結果はアムラの方が完成度が高いというのもまた……ただ、これはしょうがない。
だってアムラは10年もヴェルマやってるんだもん。
BWだったら分からないけど、WEだったらオーディションで受かってきた新人でも彼女には対抗できないでしょ。
米倉さんには演技・歌・芝居に緩急つける余裕はありませんでしたが、アムラさんはそのあたりヨユー。

いつもいわゆる“芸能人”がCHICAGOにゲスト出演するとき、サポート役のように彼女がヴェルマを演じているのも、何となく分かるような気がします。
アシュリー・シンプソンがロキシーの時も、彼女がヴェルマでした。

そうだ、米倉氏のロキシーは、アシュリーのロキシーに近いかも。
CHICAGOって、ロングランでたまに芸能人をゲスト出演させて観客呼ぶから、もしかしたら舞台人じゃない人にきっちり指導受けさせて、鑑賞に堪えうる完成度まで持っていくシステムが出来上がってるのかもしれないですね。
だから期待を外れすぎることもないけれど、独自のカラーもあまり感じられない。
とはいえ難易度の低い役や作品でもないと思うので、あのレベルまで持っていっていること自体に感心する。

ところで今回、よくぞ来日公演でこのレベルが来てくれた!というくらい、アムラをはじめ周りのキャストも良かった!

まずはビリー・フリン役のトニー・ヤズベック
写真観た時、あんまかっこよくないとか思ってごめんなさい。
初めて来日公演で観て以来マイベスト・フリンのM.ペロウに次ぐフリンでした。
芸が細かく、「We both reach for the gun」のラスト、伸ばしまくって客席に「拍手せい」と煽る芸もやってくれた。
思うに、フリン役の真髄は「Razzle Dazzle」とかじゃなく、「We both~」にあるね!

そしてママ・モートンが今まで観た中で、もしかしたら1番かもしれなかった!
まさか日本でこのレベルに出会っちゃうとは…!
今までのベストはロンドンで観たBrenda Edwardsだったのですが、少なくとも同率でぶっちぎり1位ではありました。
元々この役は黒人のたっぷりした女優が演じるので、並大抵の声では驚きません。
ブレンダケシアは声量もアレンジも群を抜いていて、歌が終わるのを待ちきれずに歓声と拍手を無性に送りたくなる存在感でした。

メアリー・サンシャインは、休憩時間に「あの人高齢なのに高い声が出て凄いよね」という声が後ろの席から聞こえて、その後の展開を知ってる身としては「いや~高齢どころじゃないよ~後でびっくりするよ~!」とサプライズパーティを企画しているかのようなワクワク感に包まれ、来るその瞬間の彼らのリアクションに何故か何もしていない自分が「ドッキリ成功!」気分に浸るという(笑)

裁判シーンでの陪審員の1人6役なんかも毎回注目してみているのですが、カンパニー全体のレベルが高く(CHICAGOはロンドンでしか見たことありませんが、たまに主役からしてハズレの時があるから)、米倉涼子は最初から期待していなかったせいか「結構頑張ってるじゃん」と(これまた上から・笑。でもあのカンパニーの舞台に立つことが許されないレベルではなかったし、彼女なりに溶け込んでいた)、鑑賞後の満足感はなかなかでした。
今回は敬遠せず見に行って良かったです。

CHICAGOはもはやタイトルだけで日本でも十分お客さんが呼べるから、来日公演のキャスト・レベルも毎回高いのかもしれないですね。

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2013/05/17 (Fri) CHIAGO【INTRO&米倉涼子】2012BW来日公演

【赤坂ACTシアター】

先日NYに行ったとき、1年近く経つのに、街中のCHICAGOの宣伝ポスターがまだこの米倉バージョンだったよ。

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キャストボードも本場風。
日本のキャストボードって、何かもっとプラスチックできれいだよね(笑)

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【CAST】(8.SEP.2012 ソワレ)

ロキシー・ハート … 米倉涼子

ヴェルマ・ケリー … アムラ=フェイ・ライト

2001年より世界中の公演でヴェルマ・ケリー役を務める。10周年記念ではブロードウェイ、ロンドン公演、また米倉が主演を演じた日本語版公演にも出演。
「フットルース」(ヴァイ・ムーア)、「コーラスライン」(シーラ)、「ジャックと豆の木」(ジャック)、「ピーターパン」(ダーリング夫人)

ビリー・フリン … トニー・ヤズベック
舞台:ブロードウェイでもフリン役、「ホワイト・クリスマス」(フィル・デイヴィス)、「ジプシー」(タルサ、アウター・クリティックス・サークル賞ノミネート)、「コーラスライン」(アル)
映画:「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」

エイモス・ハート … ロン・オーバック
舞台:USツアー版「CHICAGO」(エイモス)、「23階の笑い」
TV・映画:「ロー&オーダー」、「クルーレス」

ママ・モートン … ケシア・ルイス・エヴァンズ
舞台:「奇跡を呼ぶ男」、「CHICAGO」、「シュレック」、「ドロウジー・シャペロン」、「ドリーム・ガールズ」
映画:『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
TV:「ロー&オーダー」

メアリー・サンシャイン … D・ミッシーチ
ボストン音楽院卒業
舞台:「CHICAGO」(ブロードウェイ/USツアー/日本/タイ)、「ジェミニ・ザ・ミュージカル」、「ミサ」、「9時から5時まで」(音楽監督・指揮者として)

フレッド・ケイスリー … ブレント・ハウザー

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ずっと気になっていた、米倉涼子のロキシー・ハート。
でも高いお金を払ってみるのはリスクが高すぎる……と、前回の日本公演(日本語版で、その時にヴェルマを演じたアムラも日本語で上演)は見送りました。
でも今回は、アムラ以外のキャストもほぼブロードウェイから来る!
日本公演で、USやWorldツアーでなく“ブロードウェイ”キャストが来てくれること自体が珍しいですから、これは貴重。
さらに7月に米倉自身がブロードウェイの舞台に立った際のプロモーション(とか情熱大陸)を見て、それまで嫌悪感が勝っていた、「彼女がロキシーを演じる」という事実に、肯定的な気持ちが生まれて、鑑賞に至りました。

CHICAGOという演目が好きだし、役者の力量が強く問われる作品なのを知っているがゆえに、モデルから来た人が演じることに少なからず抵抗があったのは事実。
日本人キャストに囲まれて日本語版で演じているだけなら、よくある客寄せパンダなので、ただただスルーだったのですが、ブロードウェイの、オンで演じるとなると話は違ってきます。

だって超こわくね?
ブロードウェイで日本の舞台を日本語公演するなり、オフでやるならまだ、公演した土地がたまたまニューヨークだっただけで、「あぁ大金払って間借りしたのね、箔をつけたかったのね」、で済みます。
が、たとえお金で一週間の上演枠を買ったのだとしても、7月のオンシーズン真っ盛り&オン・ブロードウェイの英語版で主役(しかもBWで修業を積んできたという足場がなく、いきなり)って、TBSより主催者より何より、まともな人間なら、演じる本人が一番怖い気が……。
まぁCHICAGOだからこそ、今さら新しいレビューが書かれるわけでもないだろうし、観るのは観光客ばっかりだろうから、許される部分もあるのかもしれないけど。

で、やれと言われて無感情に突き進んだわけではなく、彼女はそれなりの怖さを感じながらも、努力してそれなりのレベルまで持ってきていたので、そのガッツを称賛したいと思います。

すごく上手いわけでも、すごく下手なわけでもない英語でしたが、始終違和感なく見られました。
彼女自身のキャラクターはロキシーの役に合ってるし、スタイルも抜群だし(周りよりだいぶ小柄だったけど)、ダンスは全く問題なく、声もCHICAGO向き。
ドスを聞かせるなど独自のカラーを出すには至らないけど、歌が下手なわけでもなく、純粋にストーリーを楽しめました。

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2013/05/12 (Sun) 【ジキルとハイド】(11.MAR.2013)

【日生劇場】

ジキルとハイド_2012


【キャスト】(11.MAR.12 ソワレ)

ジキル/ハイド … 石丸幹二
ルーシー … 濱田めぐみ
エマ … 笹本玲奈
アターソン … 吉野圭吾
ストライド … 畠中洋
プール/ジキルの父 … 花王おさむ
ダンヴァ―ス卿 … 中嶋しゅう


さすがに1年以上経ってしまったので、そろそろ書かないと「さびついてしまう!」と思って書き始める次第…。
書くのに食指が動かなかった理由はあって、どうやらブラックなミュージカルは好きだけど、暗~いミュージカルは苦手みたいです。(そういえば「スウィーニー・トッド」の舞台版も苦手だ…映画はまだ良いんだけど)

去年の夏は仕事が山場を迎えていて全く娯楽に興じなかったので、3月のこの観劇後、一気に9月へと飛びます。
しかも10月はロンドン行って一気に色々観たので、3月のジキハイのせいでどれだけ観劇日誌がスタックしていたのかと、よけいに思う始末……(苦笑)

さて、書くのに食指は動きませんでしたが、観る動機は結構あった本作。
石丸幹二さんにお会いしたことはある(しかもWickedの公演前かなんかだった。ご本人は観客)のに舞台を見たことがなかったのと、濱田さんの歌声がどうしても聞きたかったのと、吉野圭吾さん(もはや彼の何がどうという次元ではない、ただ彼が見たかったのです)。

吉野さんは正直すみません、1年以上経った今、すでにその記憶はなく…(苦笑)
やっぱり「ダンス・オブ・ヴァンパイア」のヘルベルトを超える強烈な印象は、他のどの演目でも残しがたいのだと思います。
立ち姿とか、出てきた瞬間嬉しかったなぁというのはありますが…。

一方で、1年以上経っても、歌声が耳の奥に残る濱田さん。
すべての日本人ミュージカル俳優の声を聴いたわけではありませんが、日本人で外国レベルに歌えると認められる(上からすみません)のって、個人的にはこの人だけだなぁ。
というか技術的にはいるんでしょうけど、感情表現と連動してハイレベルっていうのは、この人だけ。
もちろん感情表現だけなら外国の上を行く人もいるけど、あえて総合点、“ミュージカル俳優として”というならね。

四季では「Wicked」のエルファバしか見なかったのですが、場末の女のすれた歌い方もまた様になる。
この方にやってほしい役がいーーーーっぱいあります!
シカゴに、キャバレーに、Nineに……。
演技力&地声力があるから、気高さと共に歌いきるナンバーだけじゃなくて、斜に構えて歌うナンバーも似合うわ。

石丸幹二さんはさすがに主役で出ずっぱりだったので、そして主役の比重が大きい演目なので、こちらも印象に残っています。
人は誰しも善悪両面持っているとは言いますが、一瞬で入れ替わるその危なげな表情はさすが。
俳優さん、しかも舞台俳優にとって、大げさに演じられるハイド氏は、表現するにあたってそこまで難しくないと想像するのですが、ジキル博士は難しそうよね……。
絵にかいたような良い人っていうんでもないし、人間味あふれ、ある意味で仮面をかぶった静かなる狂人。
石丸さんはそのあたり、絶妙に表現されていました。歌声も安心して聞いていられます。

でもやっぱり、作品はそこまで好きじゃないっていうのが本音です(苦笑)
ていうか、ミュージカル“なのに”暗いのがあんまり得意でない。
「ロッキー・ホラー・ショー」や「シカゴ」みたいにブラックなのは好きなんだけどね~、ただただ暗いのはちょっと……。
キャバレーもファントムも暗いんだけど、曲が世紀を超える良さを持っているのと、コメディー&ラブが一級品ていうところで、大好きなんでしょうね。

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2013/05/08 (Wed) 【OZ: THE GREAT AND POWERFUL】(オズ はじまりの戦い)

出演:ジェームズ・フランコ、ミラ・クニス、レイチェル・ワイズ、ミシェル・ウィリアムス、ビル・コッブス、トニー・コックス
声の出演:ザック・ブラフ、ジョーイ・キング
監督:サム・ライミ
製作年:2013
製作国:アメリカ

OZ THE GREAT AND POWERFUL

これは「Wicked」好きにはたまらない映画!
『オズの魔法使い』じゃないところが、順番間違ってる。

でもほら、前日談つながりだし~。
オズが来る前からエルファバの元になる人がいるし、年齢差も違うし恋仲っぽくもなっちゃうから、「Wicked」と本作はつながらないんだけどね。
とはいえ翼の生えた猿も、グリンダも、エルファバも、オズの存在を大きく見せる仕掛けも出てくる。
話の順番はつながらないけれど、同じ原作を基にした二次創作なので、オズを信じていたのに裏切られたエルファバという構図も含め、キャラ設定は「Wicked」に近いものがあるのです。

ミラ・クニス、ミシェル・ウィリアムスがそれぞれエルファバとグリンダを、大御所女優なレイチェル・ワイズが大悪女を演じていました。
ただでさえ美しいレイチェルを、さらに王妃らしく美化して撮るもんだから、目の保養になりましたわ。

映像を作りこんだ作品なので、3Dも鮮やかでした。
冒頭のクレジットも凝っていたなぁ。
オズの国に来る前が白黒で、オズの国に来てからはカラーというのも含むものが多いです。

また、個人的には陶器の人形の作りに感心。
少女らしい振る舞いや仕草のたびに出す音が、絶妙に陶器という。
もう一人の連れである翼の生えた猿も、シュレックでいうドンキーの立場を担っていて良いキャラ。
オズったら、女の子には優しいのに、男の子な猿には超ドS。

ところでこの作品、続編がすでに決定しているみたいで、そちらも楽しみ。
今回はエルファバ誕生物語だったので、次はついにドロシーがやってくるのかしら。
ドロシー役は、かかしは、ブリキ男は、ライオンは、誰が演じるのかな。
今回は前日談なので自由に作れたけど、ドロシーが出てくると原作に引っ張られるはずなので、そこをどうオズ視点で描くのかにも興味がありますね。
「Wicked」みたいにドロシーがマジうざい女子扱いを受けていたら、それはそれで面白そう。

そして久しぶりに「Wicked」が見たくてしょうがなくなった!

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    http://www.bbc.com/news/entertainment-arts-35321410


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